「『ごめんね』『ありがとう』『いいんだよ』 この三つの言葉さえあれば、人は必ずやり直せます。[水谷修]」
実在の夜回り先生・水谷修の体験を基に描かれた漫画です。
5割方はノン・フィックションとなってます。
この漫画は夜の世界の子供達や、親から虐待を受けた子供達、自殺をしようとしてる子供達が数多く登場する為、大変“重い”内容となってます(^^;
しかしこれが、今の日本で暮らす子供達の本当の姿なのかもしれません・・・。
是非、一度は御読をお勧めします。
<登場人物>水谷修:神奈川県生まれの児童福祉運動家、教育評論家。元高等学校教諭。少年少女の非行や薬物依存症問題に尽力し、5000人超の青少年と向き合っている。夜間に繁華街をパトロールすることから「夜回り先生」との異名を持つ。著書も「夜回り先生」シリーズを始め、数多く出している。
以下ネタばれ。<第25夜>夜の街で身体を売ってる中学生を見つけた水谷。
水谷は彼女を止め、話を聞く事になります。
彼女の名前はミキ。
父親が母と自分に虐待をしていた過去を持ち、母親は自分を施設に預け、失踪してしまったとの事・・・。
その後施設を抜け出した彼女は身体を売って、食い繋いでいたそうです。
水谷は彼女を家に招き、化粧を落とし、髪を切って普通の少女に戻しました。
水谷は児童相談所に彼女の母親を捜して貰うように依頼します。
水谷家で暮らす事で徐々に笑顔を取り戻して行くミキですが、昔母親に言われた「必ず迎えに来るから」という言葉を忘れられずにいるようです・・・。
そして水谷はミキが“薬物(クスリ)”をやっていた事を知ります。
二ヶ月後、母親が見つかり神戸へ水谷は向かいます。
母親も娘同様、夜の世界へと足を踏み入れていた模様。
母親は娘には会いたくないと言いますが、ちょうど水谷の携帯に掛かって来たミキからの電話に、思わず本音を口にします。
「娘に会いたい」という言葉に水谷は2人の再会のお手伝いを喜んで買って出るのでした。
<第26夜>ミキの母親は夜の世界から足を洗い、旅館に住み込みで働く事になります。
そして母からの手紙を受け取ったミキは、母親の本当の気持ちを知り涙を流しました。
一ヶ月後、水谷とミキの下に1人の男が現れます。
その男はミキに“クスリ”を売った男ですが、彼を警察に渡そうとする水谷をミキは「見逃して欲しい」と頼みます・・・。
それから二年後、母親と一緒に暮らす為にバイトを掛け持ちするミキでしたが、それが仇となります・・・。
“クスリ”の後遺症があるうえ、足に負担を掛けてしまった為、両足が壊疽して切断を余儀なくされます。
それでも笑顔を忘れなかったミキは、ようやく母と一緒に暮らせる所まで来ました。
しかし翌年の正月明け、一緒に暮らす前日に彼女は死んでしまいました・・・。
正月に家を留守にしていた水谷の留守番電話には、彼女のちゃんと母親と一緒に暮らせるかどうかの不安のメッセージが残されてました。
そして彼女は不安から逃れる為に睡眠薬を飲み、楽物乱用の影響もあって心臓が止まってしまったとの事です・・・。
水谷はその電話を受け取れなかった事を酷く後悔し、涙を流すのでした・・・。
<第27夜>学校の生徒の間で権力を握ってるというヒカルに水谷は近付きます。
後を付けた水谷は、彼が暴力団の下に付きヤバイ仕事をしている事を知ります。
水谷は彼を説得しようとしますが、ヒカルは聞く耳持ちません・・・。
卒業後、彼は違法のボーイズバーとソープランドを経営します。
そして彼の店で働いてる自分の生徒を水谷は発見します。
水谷は彼の事も止めますが、説得は上手く行きません・・・。
するとその少年は店に自分が気に掛けてるクラスメイトが来ている事に気付きます。
このままでは彼女も“ウリ”をさせられてしまうと思った少年は水谷に相談。
間一髪の所で水谷は警察を店に突入させる事に成功します。
一方、ヒカルは組に失態がバレ、その落とし前を付けさせられる事に・・・。
そして3年の服役を科せられる事になりました。
数年後、ヒカルがホームレスとして暮らしてくる所に出くわした水谷。
水谷は彼に名刺を渡し、困ったら連絡してくれと言います。
その翌日、ヒカルはその場所から消えていたとの事です・・・。
<第28夜>母親に首を絞められ、無理心中させられる娘・良江。(原因は父親の暴力によるもの)
幸い2人共命を取り留めます。
二年後、水谷は自分の後輩の先生・白石と再会。
彼女は自分の教え子の良江を捜しているとの事で、水谷もそれを手伝います。
首の絞め後を隠す為、スカーフを巻いてる少女を見つけた水谷。
それから白石と共に二年間、良江の傍に居る事で水谷は彼女の心を開く事に成功します。
彼女の母親が出所する前の日、良江から「母親と一緒に暮らしたい」との相談を水谷は受けます。
それに水谷は「まだ会わない方が良い」と答えますが、それが逆に彼女の心を傷つけてしまいます・・・。
水谷は彼女の心の傷を無理心中しようとした母親にあると思い込んでいたようですが、彼女は母親の事を恨んではいなかったようです。
彼女に謝った水谷は一緒に母親を迎えに行く事にしました。
その後、母親と一緒に暮らしている良江は、もうスカーフで首を隠す事は無くなったそうです・・・。
<第29夜>ある小学校で講演をしていた水谷の下に1人の女性が訪ねて来ます。
その女性はかつての水谷の教え子・メグミで、彼女が卒業する時水谷に感謝し切れない程の恩を受けていた事をつい最近知ったそうです。
26年前、水谷は新任教師として女子校の副担任になります。
学生結婚で既に2人の子供が居たそうです(^^;
後、割と美系だったせいか女生徒からモテていた模様。(脚色してる?)
そして生徒達が卒業する2日前に事件は起きます。
メグミと友人のユキが夜の街でナンパされ、今まさにホテルに連れ込まれてしまったとの電話が本人から掛かって来ます!
水谷の機転により、間一髪で2人を助け出す事に成功しました。
生徒の無事に安堵した水谷ですが、事件はまだ終わりません・・・。
翌日、事件を知った校長が2人を退学させようとします!
反論する水谷ですが、教師達の多数決により敗北・・・。
しかし“責任事項”という校長の特権を知った水谷は、自分の首を賭けて校長を脅します!
そこで校長はマスコミに事件を知らされない代わりに、水谷に異動届けを渡します・・・。
それを水谷は迷わず受け取りました・・・。
現在、事件の真相を知ったメグミは水谷に今が幸せな事を伝えました・・・。
今の世の中に必要な教師というのは、この水谷先生みたいな人を言うのかも知れませんね?(^^;
平和に暮らす子供達を守る教師も必要ですが、悩み苦しんでいる子供達と向き合い、救ってあげる教師もより大切だと思いました。
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