まんがタイムジャンボ連載中の後藤羽矢子「コミカプ」第1巻の感想です。
最近は声優を題材にした漫画が多いですが、それ以上に漫画家を題材にした漫画が多いですよね。
この「コミカプ」も漫画家を題材にした4コマ漫画です。
小さい頃から漫画家を目指していた主人公・功田ういが、幼馴染みで売れっ子漫画家・成川ちひろのアシスタントをしながら技術を磨いていくお話です。
プロの現場の厳しさや連載獲得の難しさを学べるので漫画家を目指す人にはオススメですよ。
また幼馴染みとの微妙な関係も見所なのでラブコメ好きにも良いかと思います。
感想は続きからどうぞ。
漫画家になる大変さというのは人より多くの漫画を読む者として少しは分かってるつもりです。(あくまでつもり)
描きたい事が必ずしも読者が求めてる物とは限りませんし、自分が面白いと思った物が他人も面白いとは限らないですからね。
漫画家になる為に路線変更したり、敢えて得意としないジャンルを描いたりする必要もあると思います。
だからと言ってどれが当たるかなんてのは中々予想がつきませんし、意外な物が人気出る場合もあります。
萌え漫画も千差万別ですが人気は作品によってバラバラですよね。
プロでさえそうなんだからデビュー前の新人なら尚更でしょう。
幼馴染みで売れっ子漫画家・成川ちひろ(PN:チーTAN)のアシスタントをしながらデビューを目論む功田ういも、雑誌投稿したり出版社持ち込みしたりして頑張りますが中々目が出ないようです。
漫画家になればまず襲い掛かって来るのが締め切りとの戦い。
例えどんなハプニングが起きても原稿を上げなければならず、それが出来なければ雑誌に穴を空けてしまう事になり、印象が悪くなって今後使って貰えなくなる可能性があります。
もちろん実際には原稿落ちた時の為に代原という物がありますので、雑誌に穴が空く事は滅多にありませんがね。
ういの場合はミスでデータ原稿を消してしまい、2日間寝ずにもう一度描き直す羽目になります。
私は徹夜はほとんどした事ありませんが、漫画家がよく何日も徹夜をすると聞くとどれだけ大変な仕事が分かりますよ。
「ラブひな」の頃の赤松先生はかなり大変だったそうですし(^^;
1日でもキツイのに2日とか3日とかの徹夜は相当辛いでしょうね。
漫画家と言えばアシスタントとは切っても切れない関係。
ういもちひろのアシですが、連載してる漫画がアニメ化して仕事量増えた為もう一人増員する事になります。
しかし必ずしも仕事が出来るアシスタント=相性の良いアシスタントとは限らない模様。
助っ人の室井が自信過剰の批判家だった為、技術力の低いういは仕事であれこれ口出しされてうんざりします。
こういう嫌われキャラは読者には敬遠されがちですが、物語に深みを出すので必要に応じて使った方が良い場合もあるんですよね。
ネギまではトサカとか最初滅茶苦茶嫌われてましたが、その分亜子編に深みが出て今ではそれほど嫌ってる人も居ないと思われます。(実はブログの全キャラ人気投票もかなり票入ってます(^^;)
スキルアップの為に室井に絵を教えて貰う事になるういですが、室井を「プロアシ」と呼んでしまった為に怒らせてしまいます。
これは禁句ですよね?(^^;
いくらアシスタントとして優秀でも、漫画家を目指してるのにプロのアシスタント扱いされてはバカにされてるようなものですから。
いつも以上に毒舌で責め立てる室井に怯えるういですが、ちひろの事をバカにされてはさすがに黙っていられません。
漫画家になれないのは自分の実力のせいであり、それを他人のせいにしてるようでは一生漫画家になんてなれませんよね。
その点、ういは自分の実力不足を痛感してるのでまだまだ成長の余地があると思いますよ。
室井は漫画家に必要なのは才能と言いますが、それをちひろは計算だと説きます。
どれだけ実力があっても運が悪くては人気作を生み出せませんし、運良く連載決まっても先を読む力が無ければ長期連載は望めません。
そういう色々な要素を考慮した上で作品を作る力が漫画家としては何より大事なのかも知れませんね。
月日は過ぎてちひろの漫画のアニメ放映が終了し、相変わらずアシを続けながら投稿と持ち込みを繰り返していたういですが、ついに漫画家デビューする事になります。
いつもの純愛モノとは違い何の気なしに描いて投稿したゆる系4コマが雑誌に載ったようです。
この「はっちゅ!」は作中でも時々出て来ますが、私も思わず笑ってしまいました(^^;
初めての雑誌掲載に浮かれるういですが、さらに連載が決まって大喜びします。
しかしココからが本当の戦い。
毎話ネームを考える生みの苦しみを味わう事になるのです。
これに打ち勝つ事が出来なければ連載を続ける事は出来ません。
漫画家の永遠の課題ですからね?。
ちひろにアドバイス貰いながらやっとこさネームを提出するうい。
「はっちゅ!」のキャラをちひろそっくりにする事で日常の何気ないネタを漫画に使う事を覚えたようです。
連載が決まれば次は読者の反応が気になるようで、ネットで感想を読んだり本屋で自分の漫画を読んでる人を探そうとしたりお約束の行動を取るういです。
しかしその頃ちひろの方は大変な事になってた模様。
アニメ化もした人気連載作が突然打ち切りになってしまったようです。
萌えからバトルに路線変更して打ち切りとか、一歩間違えればネギまもこうなっていたんだろうなぁ・・・(^^;
連載をより長く続ける上で新しいシリーズに入る際にこれまでとは違う展開に持って行く事はよくありますが、成功すれば大きい反面失敗しても大きいんですよね。
新シリーズで人気無くなって消えてった漫画なんていくらでもありますから・・・。
落ち込むちひろを慰めるういですが、自分の仕事中もちひろの事が気になって仕方ないようです。
なんとか元気付けようとするういですが、やる事なす事が裏目に出て逆にちひろを傷付けてしまった模様。
ちひろは次回作を考えるも難航してるようで、改めて連載を取る事の難しさを痛感します。
読者に読んで貰える漫画を作るのって凄く大変だと思います。
読む人によって何が面白いかなんて違いますから。
より多くの人に面白いと思って貰えるのはどんな漫画か?
より多くの人の目に留まるのはどんな漫画か?
漫画家は常にそれを考えて漫画を描かなければいけない訳ですからね。
さらにそこに自分の描きたい漫画を加えるのが一流の漫画家だそうです。
ういとちひろ、二人の漫画家の今後の行方が気になります。
幼馴染みというラブコメでは最も特別な関係に「漫画家」という設定を加えただけで新たな面白さが生まれたと思います。
最初はちひろをライバル視していたういですが、アシとして手伝ったり連載を手伝って貰ったりして次第に意識して行くのが初々しくて良いですね。
またちひろが落ち込んだ時に優しく抱き締めて慰める所が幼馴染みらしさが出てて良かったです。
二人の漫画と恋の行方は今後も波乱を含みながら進展していくのでしょう。
後藤羽矢子先生の4コマラブコメはこれまでも「どきどき姉弟ライフ」「耕して♥フォーリンLOVE」などがありましたが、今回も面白かったです。
次巻も楽しみにしています。
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コメント
北斗超一郎
2009/11/11 URL 編集