全国の少年を惑わせた魔性の女が華麗に復活!コミック特盛新耳袋で連載中の光原伸「アウターゾーン リ:ビジテッド」第1巻の感想です。
かつて少年ジャンプで連載された「アウターゾーン」というホラーミステリー漫画がこの度完全新作として復活しました!
個人的にかなり好きな漫画で大人になってからさらにハマった作品だったのでこうして新しいストーリーが読めるのは非常に嬉しいですね。
少年ジャンプ連載作品では異色の漫画としてマニアには大人気となり、特に主人公のミザリィは妖艶なお姉さんという事もあって多くの少年達に年上女性属性を植え付けた作品でした(^^;
まぁ風刺に富んだオムニバスストーリーが凄く面白く、未だに鮮明に内容を覚えてる程記憶に残ってますよ。
語り尽くせないくらい思い出深い漫画なのでコミックス化を切望していましたが、新作の方も当時の面白さをそのまま引き継いだ内容になってるのでファンには是非ともお勧めします。
感想は続きからどうぞ。
知らない読者の為に説明するとミザリィは「アウターゾーン」と呼ばれる現実と空想の迫間に存在する世界の案内人(ストーカー)を務めています。
オムニバスストーリーの為毎回登場する人物は違いますが、ほとんどが彼女を通してアウターゾーンの世界に関わっていく話になる事が多いです。
もちろん連載終了時から20年近くも経っている為作画の違いなど多々ありますが、エピソード自体は当時と変わらぬ高いクオリティで楽しめるからご安心下さい。
もちろん少年ジャンプで掲載されたようなミザリィのサービスシーンも多々あります♪
個人的にも少年時代はそれを目当てに読んでましたw
記念すべき復活1回目は漫画家のアシスタントをしてる男・斉藤がミザリィのお店からラブドールを買うお話。
初めはラブドールなんて馬鹿にしていた斉藤ですが、その中の一つに魅了されてつい購入してしまい、毎日愛でる内に依存するようになります。
しかしやはりラブドールなのでどれだけ愛しても反応が返って来る事は無く、斉藤は次第にその寂しさを募らせる事に。
そんな時に学生時代の女友達と再会し、彼女と付き合うようになってラブドールの事を邪魔に感じるようになってしまいます。
いくら美しい人形でもやはり生身の女性の方が良いというのは当然と言えば当然でしょうけどね。
彼女と同棲するに当たってラブドールを処分しようとする斉藤ですがそこで不気味な現象が起こります。
なんとラブドールが妊娠しており、お腹が膨らんで身籠ってしまっていたから恐怖でパニックになる斉藤です。
斉藤が買ったのはアウターゾーン製のラブドールだった為、彼女が斉藤の愛に応える為に起こした奇跡とも言える現象だったのでしょう。
しかしながら斉藤にその愛は届かず、彼は急いでラブドールを処分しようと川に投げ捨ててしまいます。
ところが途中でラブドールは出産しており、フードの中から赤ん坊が現れるからもう怖過ぎるオチでしたよ(^^;
恐ろしい話ではありますが、愛する人の願いを叶えようとした悲しいラブドールの切ない想いも伝わって来て複雑な気分にさせられました。
こういうホラーテイスト満載なオチこそ本作の醍醐味であり、その中にもサービスシーンだったりハートフルな感動シーンもあるから面白いんですよね~。
ホラーだけでなくコメディ系のエピソードも本作の魅力の一つです。
野良猫が公園で出逢った老人を脅してあれこれ要求し、餌を貰ったら撫でて貰ったりしながら会話するという漫才チックなお話が楽しめます。
老人の優しさに触れる内に昔自分を拾ってくれた飼い主を思い出して切なくなってしまう野良猫の寂しさが伝わって来て心が痛くなりました。
真実がまた悲しいですが、それでも希望溢れるオチで読者の心を温めてくれるから凄く味のある話ですよ。
次は強盗を働いた元警察官が主役という旧作でも良くあった手法です。
ミザリィに誘われるまま謎の森に迷い込んだ強盗二人組はヴァンパイア化した村人に襲われ、そこを森に住む老人に助けられて屋敷まで案内されます。
でもその老人は血の繋がらない娘の為に自分の血と精気を与えており、今度は自分にその役目を引き継がせようとするから元警察官は迷ってしまいます。
同じくらいの娘を過去に失ってるだけあって彼女を見殺しにするかどうか老人とやり取りをしながら葛藤する元警察官の苦悩が垣間見えて考えさせられますね。
こういう悪人が改心する話も昔ながらの面白さがあってとても懐かしいです。
次はとある芸術家が作品を完成させる為に若い少女を家に招き、恐ろしい手法を取ろうとする話。
なんとその芸術家は作品に生きた人間を閉じ込め、恐怖と絶望に陥れる事で作品に魂を込めていたから尋常ではありません。
これまでにも飢餓をテーマにした作品には何日も絶食させた男を閉じ込めさせ、異形の顔をした作品には愛し合い男女を縛って閉じ込めたりと鬼畜な方法で作り上げて展示して来たというから恐ろしいです。
人の強い感情こそが芸術に魂を込めるというのはなるほど一理ありますが、だからと言ってここまで非人道的な作品を作り上げられるのは正気の沙汰ではありませんよ。
ミザリィのおっぱい!おっぱい!( ゚∀゚)o彡゚悪しき芸術家を追い詰めたのは他ならぬミザリィでした。
半年間作品の中に閉じ込められながらも平気で生きて出て来るからさすがですね(^^;
人に非ざる者であるミザリィはこれまでにも水の中に1時間鎮められても平気だったり、火炙りにされても無傷と並大抵では死なない事を証明して来たので半年間閉じ込められるなど造作もない事だったのでしょう。
ミザリィが生きてた事で精神が崩壊した芸術家は自ら自滅の道を辿り命を失います。
ちなみにミザリィは旧作でも乳首券発行されてませんでしたが、実は小説版で1回だけ乳首描かれた事あったりします
続いてはとある小説家が幼い頃にミザリィに初恋を抱いていたお話。
個人的にミザリィはショタコンと思ってますが、美少年に優しい所は相変わらずのようですねwww
少年の要望で一晩ベッドで一緒に寝てあげたというからホント魔性過ぎますよ(*´д`*)=3
でもそのせいで少年は大人になってもミザリィに依存するようになってしまい、ついには居場所を突き止めて無理矢理自分のものにしようとしてしまいます。
それを悲しく思ったミザリィは過去を変え、自分と少年が関わらない未来にしてしまうから儚いですね。
ミザリィにとっては少年にはいつまでも純粋な心のままで居て欲しかった事でしょうになんとも切ない話でした。
第1巻最後は映画「宇宙戦争」を基に作られたSFモノ。
未知の宇宙生物に侵略を受けて街中の人々が食い殺されてしまい、そいつらからミザリィと保安官の親子が逃げるというお話です。
まぁミザリィには宇宙生物だろうと敵ではありませんが(^^;
オチも宇宙戦争に準えて宇宙生物が勝手に自滅しますが、その理由もどこか人間を風刺したもので味があって面白かったです。
個人的にかなり思い入れのある作品だったので今回の復活が凄く嬉しくて1ページ1ページ味わいながら読んでしまいました(^^;
やっぱりミザリィさんの魅力は今の年上系ヒロインにも劣らないものがありますね。
セクシーな身体と包容力のある優しさで年下の美少年を誑かす所とか全く変わってなくてさらに好きになりましたよ♪
「もういっその事乳首描いちゃえよ!」と言いたくなるくらい妖艶で堪りませんでした。
作画は昔と結構違ってるので最初違和感は否めませんでしたが、ストーリーの方は昔と変わらず味のある話ばかりで凄く面白かったです。
エピソード解説も旧作と同じで読み応えありますし、また旧作連載当時の裏エピソードなんかも収録されていて非常に興味深かったですね。
今と昔とでは当然立場も環境も違うでしょうが、今後も出来るだけ長くミザリィの魅力を世に広めていって欲しいと思います。
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