アニメ「妖狐×僕SS」第11話の感想です。
(C)藤原ここあ/スクウェアエニックス・「妖狐×僕SS」製作委員会・MBS
第11話「陽炎」。今回は双熾の過去編です。
先祖に妖怪を持つ家はすべからく栄える事が多いようで、それを先祖返りのお陰として敬う傾向がどこの家にもある模様。
しかし場合によっては逆に先祖返りを監視・隔離する事によって繁栄を得られると考えている家柄もあるようです。
九尾の狐の血を引く御狐神家がそれに当たり、双熾は生まれながらにして軟禁生活を強いられて来た事が分かります。
両親の顔すら見た事なく、学校には通わせて貰えてるもののそれ以外の自由は全く与えられていなかった事が分かります。
自由を得る為に双熾が考えたのは権力を持つ女性を籠絡する事でした。
最初は世話係のメイドから始め、そこから徐々に徐々に立場の強い女性へと手を出していったようです。
イケメンで狡賢い性格だったから上手く行ったというのもありますが、少なからず妖狐としての力も使っていたんでしょうね。
女性を手玉に取る事は双熾にとって実に簡単な仕事だったのでしょう。
御狐神家で一番権力を持つ女性の愛人にまで上り詰めた双熾ですが、完全な自由を手にするには外部の人間の力を借りる必要があると考えます。
最終的に辿り着いた女性が青鬼院家の当主・菖蒲、つまり蜻蛉の母親です。
最初は菖蒲にも手を出すつもりだった双熾ですが、息子である蜻蛉の世話役をする事になり彼の下僕として仕える事になった模様。
もっとも蜻蛉はなんでも文句一つ言わずに聞く双熾を詰まらなさそうに思っていたようですけどね。
渡狸や残夏と知り合ったのもその頃だと分かります。
大人になるまでの辛抱と常に作り笑顔で過ごして来た双熾からはいつしか「喜怒哀楽」の感情が消えていました。
双熾曰く、かつての自分が持っていたのは三大欲求と自由への野心のみだったそうです。
そんな双熾を大きく変える事になったのが凛々蝶との文通です。
蜻蛉の代わりに返事を書く事になり、頭の中に凛々蝶にとっての理想の「蜻蛉」を作り上げ、それに成り切って手紙のやり取りをしていたと分かります。
ところがその際、話題の為に様々な本を読んだり音楽を聴いたりしたものの双熾には何も面白みを感じなかった模様。
これまで他人の顔色を伺って生きて来た双熾にとって、自分の好みや拘りというものが存在しなかったのです。
そこで双熾は凛々蝶への手紙を充実させる為、理想の「蜻蛉」を通して感受性を養います。
「蜻蛉」ならこんな時どう思うか?
「蜻蛉」ならこういうのをどう感じるだろうか?
そんな事を想像して手紙を書いてる内に、さも自分がそう思ったかのような錯覚に陥ってると双熾は気付きます。
それはひとえに凛々蝶が感傷的で感受性豊かな人物だったからです。
彼女に合わせる内に感化されていき、「蜻蛉」を通して次第に感情というものが芽生えていく感覚を双熾は覚えたようです。
それは彼にとって自分の中で眠っていた神経が広がっていくような感覚だったのでしょう。
そんな双熾に決定打を与えたのは凛々蝶の姿を実際目の当たりにした時の事です。(当時12歳)
自分が想像していた清楚で可憐なお嬢様とは似ても似つかない、無愛想で口の悪い幼い女の子の凛々蝶を見て双熾は思わず落胆してしまった模様。
きっと自分と同じように代理の者が手紙を書いていたんだろうと思い込み、自分のように他人に気を遣わなくても大人達に守られ大事にされる彼女に幻滅した様子が伺えます。
しかし後にそれは間違いで、凛々蝶は自分が想像していたよりも遥かに繊細でか弱い少女である事を双熾は知ります。
家でも学校でも疎まれており、その事に苦しんでいながらも決して手紙の「蜻蛉」には悟られないようにしていた凛々蝶の気高さが彼女の後ろ姿から伝わって来て、切なさで胸が苦しくなる双熾です。
彼女の心の内を知ってるのは自分だけだと、この気持ちだけは「蜻蛉」ではなく自分のものだと、その日から双熾の中で凛々蝶に対する強い感情が芽生え始めます。
それから数年間、双熾と凛々蝶の手紙のやり取りは続きました。
双熾が凛々蝶に特別な感情を抱くようになったのとほぼ同時に凛々蝶もより深く心を開くようになった様子。
しかしそれが自分にではなく理想の「蜻蛉」にだと気付いた双熾はある日、自分自身の気持ちを手紙に綴って送った模様。
するとそれを受け取った凛々蝶に凄く感銘され、初めて本当の「蜻蛉」の心に触れられたと返事を貰います。
それを見た双熾は彼女への感謝と感動で心が満たされたと分かります。
双熾が凛々蝶の本当の姿に気付いたように、凛々蝶もまた双熾の本当の姿に気付いた訳ですね。
そして大人になり、青鬼院家を出る事になった双熾は凛々蝶との文通を止めた模様。
次なる願いはただ一つ、凛々蝶の傍で仕えたいという想いだけでした。
そんな経緯があって双熾は妖館でSSとして凛々蝶を出迎えたのです。
手紙を書いていたのは自分だと凛々蝶に打ち明けようとする双熾ですが中々勇気が出せません。
そうこうしてる内に痺れを切らして蜻蛉が手紙の返事を書いていたのでは自分ではないと言ってしまいます。
すると凛々蝶はなんとそんな事はとっくに気付いていたと答えるから二人とも驚きますよ。
意外な事実を知って蜻蛉は実に詰まらなさそうにし、凛々蝶を連れてエレベーターの中で二人きりで話をします。
なんの話かと思いきやこれまた意外にも謝罪で、手紙の返事を自分で書かなかった事をずっと後悔していた事を打ち明ける蜻蛉です。
返事が書けなかったのは婚約者に字の汚さを知られるのが嫌だったからで、それが結果的に双熾と凛々蝶の仲を深める事になって嫉妬心を抱いていた様子が伺えます。
もう今更二人の仲を引き裂くつもりはないものの少しだけ邪魔したかったようですね。
最後に手紙を代筆していたのが双熾だと凛々蝶に教えて蜻蛉は妖館を去ります。
手紙の主が双熾だと知った凛々蝶は喜び、また双熾も本当の自分に気付いてくれた彼女を嬉しく思い、二人で熱い抱擁を交わしていました。
次回は「二人になった日」。
いよいよ最終回です。
今巻は双熾の悲しい過去が垣間見えましたね。
自由を奪われながらも必死にもがいていた様子が伺えます。
小学生の頃の凛々蝶はまたロリ可愛い事♪
幼い凛々蝶に影響されて年上の双熾に感情が芽生えていく様子が分かり易く表現されていたと思います。
双熾がどれだけ凛々蝶に感謝し、愛おしく思ってるかが分かる良いお話でした。
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コメント
名無権兵衛
呼び難い方の名で記載するんだか
アニメ内だとみけつかみだから
そうしの方は気付くまで
時間かかったわまったく
2012/03/28 URL 編集
名無権兵衛
反ノ塚を名前で呼んでるキャラは居ないけどなw
2012/03/31 URL 編集