ヤングガンガン連載中の勇人「いろは坂、上がってすぐ。」第2巻の感想です。
思い出の品に込められた大切な想いを読み取る能力を持つ女子高生の雫ですが、今巻は新たな能力者四人と出逢います。
しかし彼女らは雫とは違い、その能力のせいで過去に辛い想いをして来た事もあった様子です。
そして雫も今回辛い出来事を経て改めて自分の能力と向き合う事となります。
感想は続きからどうぞ。
人を疑う事のない純粋な女の子・雫が今回初めに出逢ったのはロザリオを質草に入れに来たお姉さんです。
事故で亡くなった兄から貰った大切な物だそうですが、父親の会社の経営が厳しいのでお金を借りに来たと言います。
事情を聴いて喜んでお金を貸す雫ですが、なんとそのお姉さんは詐欺師だったから大変です。
騙されたと分かっても決してお姉さんを恨まず、せめて大切なロザリオを持って帰って欲しいとお願いするもそれすら拒否されてしまう雫・・・。
その時ロザリオからお姉さんの過去を読み取りますが、どうやら跡継ぎである兄が死んだせいで両親の仲が悪くなり、会社も潰れ母親からは自分が代わりに死ねば良かったのにとまで言われたようです。
結局何も出来ずロザリオを預かったままになるものの、その後雫にさらなる大きな出逢いが待っていました。
見知らぬ少女に連れられてリリアン部なる部活動に招かれる雫ですが、なんとその部は雫と同じ能力者が集まる部活でした。
テレパスの透、発火能力の火茉莉、剛腕のユーリ、記憶操作の栞といきなり四人の能力者と対面した雫は面を喰らうものの、どうやら同じ境遇の者として仲良くしたいと分かり快く打ち解け合います。
四人は謎の組織の命を受けて様々な任務を熟してる模様。
ただ己の能力のせいで辛い想いをした事もあるようで、人間の黒い部分を知ってるだけに純粋な雫を心配してるようでした。
仲間との初任務で雫は人形窃盗事件の犯人を捕まえる事になります。
囮捜査が上手く行き、ユーリの剛腕であっさりと逮捕となり解決するものの、雫はさらに犯人の動機まで探ろうとするから飽きれる透達です。
雫の能力によると犯人の男が盗んだ人形は娘が作ったもののようで、自分の過ちのせいで家族がバラバラになってしまった事を後悔しており、娘に会えない寂しさを人形を盗む事で紛らわせていた模様。
それを知って娘に事情を話し、思い出の人形を男に贈る事で改心させる事に成功する雫です。
自分達だけではそこまでやらないだけに透達は雫の純粋さに改めて驚いてる様子でした。
「はなまる幼稚園」からのゲストとして杏と草野先生が“ぜにや”にやって来ます。
なんでも土田先生にフラれたので思い出の品を質入れに来た模様（＾＾；
もちろんほとんどがお金にならない子供ならではの宝物ばかりですけどね。
その後土田先生も“ぜにや”に来たと聞いて会話も盛り上がります。
そこで杏はなんと草野先生が土田から貰ったマフラーを質入れしようとします。
どうやら杏は二人がこっそりデートしていた事を知っていたようで、自分と同じくフラれた草野先生に気を使って持って来たようです（＾＾；
もう何とも思ってないと心残りを否定する草野先生ですが、雫にはバッチリ今も僅かに残ってる恋心を見抜かれてました♪
また翔太も杏に雫への恋心を見抜かれてしまってましたねｗ
未だ成仏せずクロちゃんに憑依している雫の亡き兄・陽向ですが、二人でこっそり誕生日を祝っていた所を月乃に見つかってしまいます。
折角なのでクロちゃんを月乃に預けてデートさせ、兄に良い思い出を作らせてあげる雫です。
陽向を思い出して寂しがる月乃に自分の幻を見せて慰めるクロちゃんが優しいですね～。
陽向の想いはしっかりと月乃に届いたようで、雫も思わず貰い泣きして一緒に涙を流してましたよ。
悠達とフリーマーケットに参加していた雫。
順調に売れるものの、胡散臭い河童のミイラを出品していた一華だけは誰にも買って貰えず不機嫌になります（＾＾；
当然と言えば当然ではあるものの、雫が記憶を読んだ所なんとそれが本物だと分かるから驚きです。
夢の中で三人は河童と会い話を聞きますが、小さな幸せを望む河童の儚い願いを知って一華は一攫千金を得ようとしていた自分の浅ましい心を見つめ直し、ミイラを唯で人に譲ってしまうから本末転倒でしたｗ
透達の組織のボスは透にとって大切な人のようで心から慕っている様子。
しかしボスは雫を特別扱いしており、四人の本当の目的が雫を危険から守る事だと分かります。
それを透は気に入らないようで、思わず雫に八つ当たりして貰った本を捨ててしまってました。
さらに透は雫の人を疑わない能天気さを嫌っており、自ら危険に関わろうとする所を厳しく非難します。
そんな時に再び現れたのが以前雫が騙された詐欺師のお姉さんです。
今度はなんとコンサルティング会社を装って商店街に資金援助するフリをし、大金をせしめようとするから救いようがありません。
しかし人の良過ぎる雫はお姉さんの言葉をあっさり信じてしまいます。
それを透が罠を張ってお金を振り込む直前で逮捕するものの、自分だけならいざ知らず商店街の人にまで迷惑を掛ける所だった雫を責め、信用してはいけない人間も居るという事を身を以って教えるから厳しいです。
これにはさすがの雫もショックだったようで深く落ち込んでました。
それでも雫はやっぱり人を信じる道を選び、自ら正しいと思った行動を取ります。
危険を冒してまでお姉さんにロザリオに込められたお兄さんの想いを伝えると、彼女は大粒の涙を零して自分の過ちを反省してました。
それを見て雫の本当の強さを知った透は彼女の事を認め、今度からはもっと仲間を頼るようにと優しく接するから感動的ですね。
色んな出来事を通して絆を深めていく五人が実に微笑ましかったです。
描き下ろしコラボ漫画ではひょんな事から“ぜにや”で詩穂達が働く事になります。
どうやらシスコン兄貴と喧嘩したようですが、それを何を勘違いしたか兄は妹達が人質に取られてると思い込むから迷惑千万ですよ（＾＾；
挙句の果てに兄が妹の為に作った人形の怨念に呪い殺されそうになったりと散々な目に遭う雫でしたｗｗｗ
特殊な能力を持ってるが故に様々な悩みを抱える雫達が切なくも心に響きました。
仲間や詐欺師のお姉さんと通して自分に出来る事は何かと力の使い道を考える雫が本当に純粋な女の子でしたよ。
だからこそ透達も彼女の真っ直ぐな気持ちに応えようという気になったんでしょうね。
この先も色々大変が事もあるでしょうが雫には今まで通り人を信じる道を突き進んで欲しいです。
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