電撃マ王連載中の武田すん「世界の果てで愛ましょう」第7巻の感想です。
乙男女(おとめ)となってしまった元男子の女の子・涼馬と異世界の王子・エミリオが繰り広げる性転換コメディ。
今巻はシリアスメインでエミリオの王位継承問題を巡る争いに涼馬が再び巻き込まれる事となります。
さらにエミリオに非常事態が発生し、罠に嵌められて絶体絶命の絶望的な状況に陥るから大変です。
感想は続きからどうぞ。
舞踏会でエミリオに別れを告げられて地球へ帰ろうとした涼馬ですが、エミリオの義弟のニコライの罠に嵌って捕まってしまいます。
ニコライはすぐに映像をエミリオに送り付け、涼馬を返して欲しければ決闘をしろと命じますよ。
決闘の申し込みと言っても事実上は宣戦布告であり、もしニコライの居る世界と全面戦争となればエミリオの世界も大きな犠牲を免れません。
怒り狂うエミリオですが大臣に冷静な判断を下すよう促され、涼馬の命か多くの民の命のどちらかという厳しい選択を迫られます。
ニコライの目的はエミリオと命のやり取りをしてどちらが真の王に相応しいか決める事の模様。
幼い頃から病弱で生死の境を彷徨い続けたうえ、冷酷な祖父王により多くの死を見て来たニコライには己の死すら恐れるに足らないようです。
涼馬は自分はもうエミリオに別れを告げられた身だから人質の価値は無いと言って決闘を止めようとするものの、本当にそうならば用済みとして殺すまでと言われてしまい何も出来ないままエミリオの決断を待つ事となります。
悩んだ末にエミリオが出した答えは自分一人で敵陣に乗り込む事でした。
一対一の勝負で決着を付けようと提案するエミリオですが、それにニコライは激しく失望してしまいます。
その結果、エミリオは罠に嵌められてあっさりとニコライの刃に倒れてしまうから大変です。
エミリオの独断により戦争は回避出来たものの、ニコライは期待を裏切った兄に対し死より絶望的な罰を与えようと企みます。
牢に入れられたエミリオを助け出して自分達の世界に帰ろうと脱走を図る涼馬。
しかしそこで見たのは化け物に変えられたエミリオの姿でした。
ニコライによって野生の獣にされてしまったエミリオは最早言葉を話す事すら出来ません。
それでも涼馬はエミリオが生きてれば十分だと、獣となった彼を連れて雪の降る森へと逃走を図ります。
しかしそれすらもニコライによって計画された罰だったから二人にさらなる試練が襲い掛かりますよ。
吹雪の中で小屋を見つけた涼馬達はそこでしばらく身を隠す事にします。
寒さで凍えそうなうえ水も食料も無い為空腹感が増して辛く苦しい思いをする涼馬達ですが、大切な人が傍に居るだけで十分満足だと未だ希望を失ってない様子です。
エミリオに別れを告げられて涼馬は初めてエミリオの大切さに気付いたのでしょうね。
しかしニコライの恐ろしい罠が二人の仲を引き裂こうとします。
野生の獣となったエミリオは段々と意識を失っていき、本物の獣に近付いていくにつれてついには涼馬の記憶さえも忘れてしまいそうに。
そのせいでエミリオは涼馬を食べてしまおうと考えるから大変ですよ!
ニコライの狙いはエミリオに涼馬を殺させ、その後人間に戻して絶望を味わわせる事だと判明します。
それに涼馬は気付くもののエミリオを苦しみから解放する為になんと自ら食べられる決意をします。
例え自分は死のうともエミリオに生きて欲しいと願う涼馬の愛が深いですね~。
最早涼馬の言葉すら理解出来なくなるほど野生化してしまったエミリオですが、涼馬の愛情だけは伝わって来たようで襲い来る欲望に必死に抗って耐え続けてました。
そんな二人の愛が奇跡を呼び、起死回生の一手を生み出します。
涼馬に渡した男に戻る薬によりエミリオは人間に戻る事が出来、見事ニコライの企みを阻止して逆に追い詰める事に成功しますよ。
軍隊を呼んでニコライを取り囲んでエミリオは涼馬を危険な目に遭わせた償いをして貰おうと考えます。
しかしそこでさらなる意外な事実が判明するから驚きです。
なんとニコライの病は治っておらず、薬で誤魔化していただけで既に瀕死の状態だったから涼馬もエミリオも衝撃を受けます。
ニコライは病弱に生まれたばかりに王位継承権を失い、そのせいで祖父王に母親を殺されるという悲惨な生い立ちを歩んで来た模様。
そんな自分とは違い才能にも境遇にも恵まれたエミリオを恨み、せめて死ぬ前に自分が生きた証を残す為に偉大なる兄に挑みたかったそうです。
そこを涼馬に良い事をして名前を残せば良かったのにと言われ目が覚めるニコライですが、もう後悔する時間すら無いと無念を感じ、最後は自ら命を絶って悲しい人生に終止符を打ってました。
彼もまた王位継承問題に巻き込まれて不幸な道を歩んだ一人と知って複雑な気持ちになる涼馬達です。
そんなシリアスな展開がありながらオチが笑えるから酷いものです(^^;
死ぬ前に自分の記憶と意志を組み込んだ装置を作っていたニコライは、自分の葬儀に参列した涼馬達に立体映像を見せて最後の言葉を伝えます。
でもそれが冷凍保存していた自分の精子で涼馬に子供を作って欲しいというものだったから途端にコミカルな空気が漂いますよw
涼馬を気に入ったニコライは彼女に自分の跡継ぎを生んで貰う事で名を残そうと考えたようです。
当然涼馬は怒ってキッパリと断り、悲しんで損したと酷いオチに文句をつけてました。
そんなこんなで無事に家に帰った後、また兄を危険な目に遭わせたと知って祐二がエミリオに喧嘩を吹っ掛けます。
いつもなら一般人の力など通じはしないエミリオですが、ずっとアリシアの旅館でバイトしていたせいで怪力を身に付けてしまった祐二に冗談抜きで殺されそうになって冷や汗掻いてましたよ(^^;
全体的にシリアスな話でしたが王位継承問題の複雑さを考えさせられる興味深い展開でした。
エミリオも相当苦労して王位を継いだ訳ですが、その陰で王位を告げなかった兄弟達がそれ以上に辛い人生を歩んでると知り心が苦しくなりましたね。
エミリオを野生の獣にして涼馬を食べさせようというニコライの恐ろしい企みを見事愛の力で乗り切った二人に感動しました。
涼馬はもうすっかりエミリオに女性として好意を抱き始めてるのが見て取れるので今後の展開に期待が持てますよ。
あともう一押しで完全にデレると思うのでエミリオには引き続き頑張って欲しいものです(^^;
そんなシリアスなエピソードのオチがまた笑える展開でウケましたw
結局は皆涼馬を女の子として惚れ込んでしまうからエミリオの兄弟は似た者同士なのかもしれませんね。
最早誰からも男として見られなくなってしまった涼馬が憐れ過ぎますよ。
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